Fラン夫をいつ見切るべきか――私の不発離婚 1/3

Fラン夫をいつ見切るべきか――私の不発離婚 1/3

エリートで勤勉で妻思い――そんな男性と結婚できる女性は、10人に1人でしょう。

「じゃあ、残りの9人はどうするのがいいか」を、花咲かBar管理人のmintが考えます。

花咲かBarだなんて、誤解もありそうだけど……。管理人の人生に花が咲いてるわけじゃないんです。「悪い状況を耐えて、それなりの結果ぐらいはある」だけ。枯れ木に「花咲か」ないかな〜? みたいな。

なので、枯れ木〜離婚を決めて家を出かけた3回の過去〜について、今日から書いていきます。どの回も「性格の不一致」とかではなく、世間も納得する理由。

おバカ(大バカ?)な私の話が、あなたの参考になればいいな。

今日はその1回め。それは娘が1歳を少し過ぎたころ。夫はフリーのフォトグラファーで、定収入はありません。おサイフは別々で、何度頼んでも家計を任せてはもらえませんでした。

結婚当初は、私もフリー・ライターとスガナミ楽器でピアノ講師(契約)をしていました。

夫はしきりに子どもをほしがり、私は先行きが不安。内緒で就活をして、業界2位(当時)の大手同時通訳機関の”コーディネーター職”正社員に内定をいただきました。

目立ちたがりやで英語大好きな私にぴったりの難関ポジション。私は大喜びで、帰宅した夫に報告しました。

夫は一言「えっ?」と呻いたきり、黙りこみました。醜く歪んだあの顔は、生涯忘れません。

その時すでに、妊娠の兆候がありました。もし私がこの仕事を始めたら、夫はこのお腹の子にもこんな顔をするのかな。……そう思ったら、とても内定を受ける気になれず……。

翌日、泣く泣くお断りの電話を入れました。

え? この時点で離婚だろ、ですか?

そこが人生の「花咲か」なところ。この後、娘誕生から1歳半までを専業主婦で過ごして後の就活で、100倍私好みの適職を得ました。

脱線しましたが、まだ話は続きます。

妊娠7カ月ごろ、しばらく離れていたバンドのリーダーから、「ポリドール(現ユニバーサル・ミュージック)で次のアルバムのレコーディングが決まったから、戻って来ない?」と電話が。

同じ理由で気が向かず、熱心なお誘いを断ってしまいました。

そして出産後。

なんと、私が無収入になったら、生活費の現金を一銭ももらえなかったんです。徒歩15分以上かかるスーパーでのみ使えるクレジットカードを渡されただけ。

もちろん、徒歩5分以内に他のスーパーやコンビニなどはある立地ですよ。

この時点で離婚だろ、ですか?

それがねぇ。実家でシンデレラのように使われていた私は、子連れには不便だけど「無収入の自分だから仕方ない」と思ってしまい……。

たまに「お昼食べて」と渡される千円札を大事に取っておいて、交通費などに充てていました。

そんな生活の中、私も頭金を出してマンションを買って以後、夫はそれまで多少手伝ってくれていた家事も一切しなくなりました。

しかも、私が「財テクの元手に」と結婚後の3年で積み立てた100万円の満期を夫が知るや、「借金があるから」と、全額取られてしまったんです。2/3以上の期間を私の収入で払っていたのに。

生活費が足りなかったならわかります。だけどこの間、沖縄、オーストラリア、ハワイ、香港などに、旅行に行っているのです。私は自分ではTシャツ1枚、コーヒー1杯買えないのに……。

オタクな私は旅行が好きではないし、特にダラダラした南の島がキライ。夫の提案を叶えてあげたくて、疲れながら無理して出かけていたという。

この時点で離婚だろ、ですか?

はい、さすがの私も限界。ある夜、心ない夫の言葉で100%離婚を決めて。最低限の身の回り品だけをバッグにざっと詰め、娘を抱っこ紐でくくって、夫の入浴中に家を出ました。

暗い道を急いだつもりだったけど、駅に着く前に捕まってしまったんですよ。踏切前で。

強引に突破すればよかった?

実は反対された結婚で、実家に帰っても体裁を気にする親には追い出される可能性もあったんです。

で、「わかってくれたのかな」と愚かにも思い、しぶしぶながら家に戻りました。

以後、何ひとつ変わりません。私は切り替えて、収入の道を確保する方向にシフト。求人情報をチラ見しつつ、それまでも続けていたスキルの勉強に力を入れました。

結果は前述の通り。通勤至近の外タレ系音楽制作事務所に正社員で勤め始めました。

事実は以上です。何か一言コメントを……と思えど、過去の自分が恥ずかしすぎて、何も浮かびません。

が、ひとつだけ。今でいうモラハラのような扱いを受けながらも、結婚生活が楽しくなかったわけではなく。子煩悩な夫はおおむね温厚で、生活を彩るセンスが秀逸。誰かと一緒のご飯は美味しいし、子ども嫌いの私でも娘は可愛かったし。

自身の犠牲の上に成り立つ”映えシーン”に惑わされて……自身の尊厳が脅かされていてもうやむやにしてしまう、私みたいな女性が多いのかな……。

ということで、2回め不発離婚にTo be continued..