Fラン夫をいつ見切るべきか――私の不発離婚 3/3

Fラン夫をいつ見切るべきか――私の不発離婚 3/3

エリートで勤勉で妻思い――そんな男性と結婚できる女性は、10人に1人でしょう。

「じゃあ、残りの9人はどうするのがいいか」を、花咲かBar管理人のmintが考えます。

(詳しい企画概要は、1回め↓をご参照ください)

今日はその3回め。前回までに、「その時点で離婚だろ」が連発しましたね。

ただ、mintは芸能・マスコミ界隈をウロウロ。夫もマスコミ人ゆえに、モラハラ案件が極端に出た面はあるかもしれません。英語を活かしてテレビにも時たま出たりするmintのことが、夫にはことさら目障りだったかも……。

どんなご夫婦でも、ここまででではないにせよ、根っこが同じ問題はあるのでは。なので、同情していただかなくても大丈夫です。

次の波は、私がニューヨークに拠点を作り、娘が結婚した後。「娘のために」の離婚回避理由はなくなり、いよいよ離婚適齢期。

3回めは、そんな今年のある日。朝遅く起きてきた夫に、私は自分が過去に言われた言葉をそのままお返ししました。(いつものようにコーヒーを淹れてもらえず、家事も溜めている夫に焦れていて)

「疲れてできないなら、できるように鍛えればいいじゃない」

激怒した夫が(形勢が悪い時の常で)大声で怒鳴りだしたので、「だって、私も同じことをR(娘の名)が小さい時に言われた」と説明しました。(死んだように疲れた身体をどうやって鍛えるんでしょう?)

すると夫は、泣きださんばかりに情けない声音で「自分がされてイヤなことは、しないって言ったじゃない」と……。

確かにそれは私の口ぐせで、いつも徹底してきたことではあるけれど……。言われた言葉をそのまま返したのは、夫に気づいてもらいたいため。実害を強いる「お返し」とは違います。

夫はおぞましい形相で怒鳴り続け、私のことを「最低」と連呼しました。(証拠のビデオ撮りました)

自分は妻が嫌がることをしても言っても良く、その言葉をそのまま返した妻は「最低」だと……? これが、ご存知モラハラ夫の典型!

理不尽に怒鳴られるのはこれまでも多々あれど、こんな人格否定はさすがに初めて。私は妻として・母としての全てを否定されたように感じました。

「ここで離婚だろ」。

……のはずが、折悪く私のアメリカビザ問題が。ちょうどアーティスト・グリーンカードの審査が通ったところで、残るは永住のステータス調整という時期でした。

結婚状況(と苗字)が変われば、申請の一部はやり直しに。10年かけてようやく取れかけた難関ビザに、万一ケチがついては取り返しがつきません。申請書類に苦戦していた私は、「この状況で離婚はリスク大」と降参……。

今のところ夫は便利な家政夫だし、提供したお金も少しづつ返してくれているし。離婚しても、スッキリする以外には大してトクもありません。

そんな訳で……。無事に永住ステータスを得た今も、夫に東京の自宅Barのマスターを任せつつ、ニューヨークでライフスタイル刷新中。

☆旦那さまも常に募集中です。私と結婚すれば、アメリカ永住権がすぐに取れますよ〜!

以上、3回の不発離婚。いかがでしたでしょう。

あなたがmintなら、どの回で離婚しますか?――そう考えてみると、ご自分の結婚のことも、より客観的に見られるのでは?

そうだとしたら嬉しいです。

最後に何かコメントを……とは思いますが、こんな都合のいい妻なら、利用し放題。自分ツッコミしか浮かびません。

でも「mintが考えます」との口上を書いてしまったので、ちょっとだけ……。

以上のように、離婚願望には波とピークがあり、乗り切れないとすればハッキリした障害によるものです。今それを知ったあなたは最強!

さて、上手く波に乗れそうでしょうか? ビッグウェーブの上は、どんな気分でしょうね?

私は娘に夫の悪口を言ったことはないけれど、それはある意味真実ではありません。塗り込めたウソの上に育つよりも、筋を通して離婚した親からの清々しい影響はきっとプラス。別れても2人協力して親の責務に尽力するならば、更に素敵ですね。

また、mintみたいに乗り切れなくても、それはそれで捨てたものでもありません。娘夫婦は、「親が下らない話をして笑いあっているのって、いいね」と話しているそう。

私のFラン夫は見ての通り、私にプレゼントを買うにも「自分が快い」ことが全て。リクエストしても聞かないで、自分が気に入ったのを買ってきます。私が赤字を出すまいと5円10円をケチっている側から、何十万もするブランドものの指輪なんかを……。

結果、私が借金を払うことになるのは、前述の通り。ピンクのハートとか、とにかく「わざとか?」っていうぐらい、趣味じゃないものばっかり。

ところが去年の冬。

1人で出かけた近所のショッピング・コンコースで、ものすごく好みのマグカップを見かけました。昭和レトロと今どきカフェふうのハイブリッドで、即買いしたいほどの気に入りよう。さんざん迷いましたが、「やめとこう」と、いつものように諦めて。

折しもクリスマス近く。私は夫に「プレゼントは要らないからね」と、クギを刺しました。「ぜったい趣味じゃないのを買ってくるんだから、無駄」と。

にもかかわらず、イブ当日、夫はプレゼントの包みを手に帰宅。私は「要らないって言ったじゃない。返しきて!」と怒りました。

夫はいつものノラクラな口調で、「いいから開けてみて。いやなら使わなくていいんだから」と、強引。

仕方なく開けてみたら……、なんとあのマグカップが!!

翌日訪ねてきた娘夫婦に、「結婚35年めにして、初めて好みのプレゼントをもらった〜」と見せたら、お婿さんがしんみりして「いい話……」とひとこと。

……え? 「酷い話」じゃなくて??

まぁ夫にしたら、センスがなく安ものばかり買う私を「ちゃんとしたものを持てば似合うのに」と見ていたかもしれないし。

年齢を重ねた指には、なるほどファッション・リングよりもブランドものの方が映えます。どんな人でも「自分こそが正しい」と思っているもの。

ということで、不発離婚シリーズは今日で終わり。ですが、離婚適齢期を絶賛延長中のmintの言いたい放題は、To be continued..